Mar, 2020 読書日記まとめ
春休みも終わりかと思いきや、延長するなんて奇跡が起きちまったもので、遠足の前日の小学生のようにテンションが上がっちまった俺は、毎日夜も眠れない。
夜眠れないとき、何しよう。
そうだ、本を読もう。
そういうときにうってつけの本は、共通の前提条件として、
本屋で入手しやすい作家
ページ数の少ない作品が多い作家
であることが挙げられる。
そんな中で、俺の思うジャンル別おすすめは、
文章の読む気が起きない系 → 村上龍、ギブスン
といったところ。
寝る前に読むので一番よくないのは、
分厚くて、表現が過激で濃厚で、でも文章は読みやすくて、それでいてエンタメ的に面白くてページが止まらなくなっちまう系
→ 伊藤計劃、半村良、ウエルベック、パラニューク、ベスター、バラード、ホーガン(以下略)。
本は健康的な睡眠薬にもなるぞ。
では今月のランキングだ。
2,地図と領土
- 作者:ミシェル ウエルベック
- 発売日: 2015/10/07
- メディア: 文庫
てかウエルベックって何に影響受けたのかねえ。
SF的なのも、エンタメ的なのも、私小説的なのも書けるし、というか、ほぼすべてのジャンルを包括した本書くし。
それでいてオリジナリティにあふれてて、その個性で売れてるし。
俺は一生ついていく。
3,すべての男は消耗品である。最終巻
- 作者:村上 龍
- 発売日: 2020/04/08
- メディア: 文庫
エッセイだけど、ランキングにいれてやってくれ。
だって最終巻なんだぜ。
俺は泣き崩れちまうよ。
いままで、人生の糧をありがとう。
俺、村上龍の小説はまったく読む気がしないけど(初めて読んだときにつまらなすぎたため)、エッセイは大好きだったよ。
ちなみにこれ、文庫版が8日後(4月8日)に出ます。
最後くらい、買ってみたらどうよ。
4,シンドローム
- 作者:佐藤哲也,森見登美彦 (解説)
- 発売日: 2019/04/09
- メディア: 文庫
先月のイラハイで感銘を受け、さあこいつの本をすべて読んでやろうと意気込んでいたところ、なんとほとんどの本が、文庫化すらされていない。
単行本を探すにしても、20軒以上まわったブックオフでは1冊もおいておらず、ネット通販でも値段が高いならまだしも、売ってすらいないものまであるのだ。
ひさしぶりに腕が鳴るぜ、俺は絶対すべての作品を集めてやるぜ、と思っていた矢先、作者の中では一応、最新の作品を本屋で新品で入手することに成功した。
ここまででも読むのに一苦労だったのだから、評価に加えたいくらい。
で、正直な感想を言うと、労力に見合ったほどのものではなかったなあ。
いや、面白かったのだが、おもしろいというより、この人は本当に文章がうまい。
読みたくなる文章を書く。
文章だけで作品を評価しがちな俺にはいいのだが、世間ではやはり、おもしろさが重視されるのかなあ。
みんな買ってやってくれ、この人の作品。
5,フロリクス8から来た友人
- 作者:フィリップ・K・ディック
- 発売日: 2019/08/20
- メディア: 文庫
ディックの去年の新刊。
あらため、新訳、新版。
前の記事で3月の新刊を紹介したが、少なくともそれよりはこっちの方がおもしろかった。
最近、ディックの並んでいる棚の前に立ちすぎて、本のカバーは真っ黒なのがオーソドックスなのでは、と錯誤し始めている。
次も楽しみだ。
まとめ
ウエルベックの作品はこれで、文庫はすべて読破した。
最新刊の、単行本の「セロトニン」を、金に余裕ができたら買おうと思っている。
- 作者:ミシェル・ウエルベック
- 発売日: 2019/09/26
- メディア: 単行本
しかし先月の予見どおり「イラハイ」にはかなわない。
いや、「ある島の可能性」はある意味で俺のオールタイムベストかもしれない。
少なくとも作品への熱中度では、現ベストの「ファイト・クラブ」に匹敵するからだ。
あとは単に、作品の完成度の問題。
俺が個人的に好きなだけで、作品単体の評価は「高い」くらいだもんね。
以上、俺の春休み読書日記でした。
来月からは「つまらない授業の時間を読書に有効活用したの巻」になるだろう。
まだ春休みは終わらないけどな。